その言葉が発信された当初は「なんだろう?」と思われていたキーワードが、今ではより良い世の中をつくる、身近で当たり前になっているものがあります。それらには共通して、“課題から人々をフリーにする”という強い想いがありました。
暮らしの中にある障がい
からフリーに
住まいや公共施設などにおいて、生活の支障となる物理的障害を取り除いた「バリアフリー」。一般の人にも障がいを持つ人にも誰にでも公平に便利に使えるモノをデザインした「ユニバーサルデザイン」。どちらも『困った!』という悩みから利用者を“フリー” にしています。
地域格差や不当な労働
からフリーに
発展途上国の農産物や工芸品などを、生産者の暮らしに対する適正な価格で継続的に購入・消費することを目指す「フェアトレード」。特に発展途上国において、労働者を低賃金や不当な労働から“フリー”にして、貧困解消や経済的自立を促進。また地域格差の是正を実現しています。
環境汚染や資源のムダ
からフリーに
分別してゴミを捨てる、電気などのエネルギーのムダを減らすといった、地球に優しい「エコ」活動。環境汚染など地球への負荷から“フリー”にして、持続可能な社会を目指します。現在はあらゆる商品やサービスにも取り入れられ、消費者の多くもエコな商品を選ぶ機会が増えています。
フリーによってより良くなっていく世の中。
でも、頻発する地震などの災害に対しては、
私たちはいまだ不自由なまま。
もしも“災害に対するフリー”があったなら、
世の中はどう変わるのでしょう?
いつもも、もしものときも、安心して暮らせる
フェーズフリーな世の中を、一緒につくりませんか?
昔もいまも、日本ではさまざまな災害が起きつづけています。大きな災害の発生直後には社会的に高まる防災意識もいつしか薄れ、同じような悲劇がくり返されつづけています。
それはなぜでしょうか?
それは、災害時に自分のまわりでどんなことが起こるのか、イメージしにくいからなのかもしれません。想像できない、だから“ 備える防災”は難しいのです。
そこで私たちは、発想を変えてみることにしました。いつもの暮らしがある「日常時」と、災害が起きた「非常時」という2 つの時間「フェーズ」について、分けることをやめてみたのです。
そうすると私たちに必要となるのは、防災のための特別なコトやモノではなく、「日常時」も「非常時」も変わることなく活用できる、商品やサービス、そしてアイデア。その考え方や取り組みを『フェーズフリー』と名付けました。